「ドラゴンボール」のフリーザ役などで知られる声優・中尾隆聖(なかおりゅうせい)さん。独特の声と演技力で、多くのファンを魅了してきました。今回は、そんな中尾隆聖さんの若い頃にスポットを当て、声優としての歩みや、代表的なキャラクター、声優になる前の経歴まで詳しくご紹介します。
中尾隆聖さんとは?プロフィールをおさらい
- 名前:中尾 隆聖(なかお りゅうせい)
- 本名:中尾 隆勢(読みは同じ)
- 生年月日:1951年2月5日
- 出身地:東京都
- 所属事務所:81プロデュース
独特な高音ボイスと、不気味さを含んだ演技で悪役からコミカルなキャラまで幅広く演じる中尾隆聖さん。声優業界における重鎮のひとりとして、長年にわたって活躍しています。
子役として芸能界入りした“下町の少年”
中尾隆聖さんが演技の世界に足を踏み入れたのは、なんと小学校1年生のとき。
出身は東京都中野区。好奇心旺盛な性格だった中尾少年は、周囲から「演技が上手い!」と褒められ,祖母から勧められたことをきっかけに、劇団ひまわりに所属することになります。
小学生にしてプロの舞台へ
当時の劇団ひまわりは、テレビ草創期のスター子役を多数輩出していた名門。
中尾さんも数々のNHKドラマや教育番組、舞台に出演し、子どもながらにプロの現場で演技の厳しさと面白さを学んでいきます。
「大人に混じってリハーサルをやるのが楽しかった。だけど一言のセリフを間違えると泣きたくなるほど悔しくて、絶対に台本は覚えて臨んでた」
(中尾隆聖・過去のインタビューより)
10代後半~20代:舞台役者としての修業時代
子役として活躍していた中尾さんですが、成長とともに「大人の俳優」への壁に直面します。
思春期の声変わりや見た目の変化で、子役時代のように自然と役がもらえなくなったのです。
舞台中心の活動へ
そこで彼は、声よりも表現力そのものを鍛えるため、舞台演劇の世界に進みます。
シェイクスピア劇や古典の舞台で、「立ち回り」「間合い」「間の感覚」といった演技の基礎を徹底的に叩き込まれました。
この時期に培った表現力が、後の「フリーザ」や「ばいきんまん」のような“声に個性を宿す技術”に繋がっていくのです。
声優への転機は“偶然の代役”だった?
若手俳優として活動していた中尾さんに、ある日突然まわってきたのが「声の仕事」でした。
当初は代役やナレーションのような短い仕事が多かったそうですが、その中で彼の演技力に注目が集まります。
「声の仕事は“第二の舞台”」
中尾さん自身は当初、声優という職業に対して「ちょっと変わった仕事だな」という印象を抱いていたそうです。
ですが、アニメキャラに声を吹き込む中で、次第にその魅力にのめり込んでいきます。
「舞台と違って、声だけで感情を表現しなきゃいけない。でもそれが面白くてたまらなかった」
(中尾隆聖・ラジオ出演時の発言)
こうして20代後半には、声優として本格的に活動をスタート。
悪役から三枚目、コミカルなキャラまで自在に演じられる実力派として、アニメ業界に知られる存在になっていきました。
中尾隆聖さんの若い頃に演じた代表キャラクター
中尾さんの名前を一躍有名にしたのは、やはり1989年放送の『ドラゴンボールZ』でのフリーザ役。ただ、それ以前から数多くの作品に出演していました。
代表的な若い頃の出演作品
- 『ヤットデタマン』(1981年):コスイネン役
- 『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981年):則巻ガジラ役
- 『銀河疾風サスライガー』(1983年):ロック・アンドロメダ役
- 『ドラゴンボールZ』(1989年):フリーザ役(大ブレイク)
- 『おぼっちゃまくん』(1989年):御坊亀光役
フリーザ以前から、コミカルな悪役やクセのあるキャラを多く演じていたことが分かります。
フリーザ役で声優としての地位を確立
1989年、「宇宙最強の悪役」として登場したフリーザ。その圧倒的な存在感と不気味な演技で、当時の子供たちに強烈なインパクトを残しました。
中尾さんの「〜ですわよ」調の独特な口調や、笑い方、そして怒りの演技は、今なお語り継がれる名演技。
以降、悪役の名手としてアニメ界に君臨することになります。
中尾隆聖さんの魅力とは?
中尾さんの魅力は、なんといっても「声の説得力」。悪役であっても、どこかユーモラスで人間味のあるキャラクターに仕上げてしまう演技力は、若い頃からすでに完成されていました。
さらに、舞台俳優としての経験があるため、台詞の間の取り方、感情の込め方が非常に深く、他の声優とは一線を画す存在となっています。
まとめ:若い頃から天才だった中尾隆聖さん
- 子役出身で芸能活動歴は60年以上
- 声優として本格デビューしたのは20代前半
- フリーザ役で国民的声優に
- 若い頃からキャラに命を吹き込む名演技が光っていた
中尾隆聖さんの若い頃の経歴を振り返ると、そのキャリアの長さと才能の深さに驚かされます。今後も唯一無二の声で、アニメ界を支えていってくれることでしょう。